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クラフト作家の紹介について
今のわが国はある種の生活デザインブームと呼んでいい。特にプロダクトデザインを中心に次々と新作の発表が話題になり、大メーカーもそのための独自ブランド企業を立てる現象まで生じている。雑誌等ジャーナリズムもデザインをテーマにすることが日常化している。あるいは著名なデザイン会社がM&Aの対象になり売買される。事業そのものの商品化も多く見られるようになってきている。

デザイン界におけるプロアマの境界も融合状態が起こり、特にジュエリーデザイナー協会など個人参加の傾向の強い組織ではデザイン8団体の中では放っておいても会員が増える状況を呈している。海外に目を転じれば第二のジャポニスム時代とも呼ばれ、造形表現分野を中心に日本が大いに注目を集めている。

そうした中、何故クラフトデザインのみが時代から取り残されたような状況に置かれているのか不思議でならない。この問題を今真剣に考えてみる必要があろう。お隣の韓国などではクラフトも含め新しいチャレンジがいくつも行われている。果たしてわが国のクラフトデザイン界の中心に在る人たちに将来戦略は在るのだろうか?

たとえば若い人たちにクラフト展で作品を見せると、まず価値工学的に物品として値段が高いとのイメージをもつ。それはクラフト展での品揃えやデザインレベルの問題もあるが、それ以上に一般の市民生活者がクラフトの意義や背景を理解する機会があまりにも乏しい現況にも起因している。

いま日本人は成熟社会化の過程にあり、個人主義的生活への途次にもある。これらと美意識のある暮らしへの欲求は決して無縁ではない。つくりさえすれば売れる。並べて置きさえすれば売れるプロダクトオリエンティッドな時代は、この国においてはもうとっくに過ぎ去っている。

そうした時代認識がもてない、今日的スピードに追随できない、そうした状況から少しでも早く抜け出す気持ちがあるのなら早々に何かを行わなければならない。

私たちが今、作家紹介から始めようとしているのはこうした背景によるといえる。

株式会社ワールド・グッドデザイン
代表 中西 元男
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