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日本クラフト&デザイン文化を支える作家たち

幾何学的なすっきりとしたデザインに 日本的、土俗的な色。 相反する要素が調和する不思議。

陶磁器/神奈川県横浜市

渡辺 稔浩

Toshihiro Watanabe

 土味を帯びた赤、墨のような黒…。円と直線だけですっきり、きっぱりとデザインされたごくモダンな食器なのだが、その色合いは非常に日本的である。不思議だ。

 そんな円と直線のデザインが、皿の縁だけ、意図的に壊されている。薄く作った生地が完全に乾かないうちに手でぼきりと折ってあるのだ。これも、不思議だ。

 渡辺さんの食器は、この対照的なふたつの要素がなんともうまく調和しているところにあるのかもしれない。幾何学的な形状と土俗的な色、同じく幾何学的なラインや形と破壊という行為が造りだした偶然性によるラインや形。本来なら両立しそうもないふたつの要素が、これらの食器の魅力となっている。

 もともと織部のあの緑にとりつかれて焼きものを始めた渡辺さんだった。「だから、私のテーマはいつも色なのかもしれません」とのことだが、そのラインや形のモダンさもすばらしい。
夫婦ふたりで、ハレの日に使えるように、とこの食器はデザインされた。でも、特別の日というよりも、うれしい日。そんなときに気軽に使ってほしい器たちなのである。もちろん、夫婦だけではなくて、家族みんなのうれしい日にも。

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