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日本クラフト&デザイン文化を支える作家たち

絹のストールは丈夫で洗濯も簡単。 その美しさも生かして、 肩にはおったり、窓辺にかけたり。

染織/東京都東大和市

Studio羽65

Studio HANE 65

 Studio羽65は、山本里子さんと飯田竜子さんの工房。20年以上、ふたりで布を織ってきた。この工房の最初のテーマは、美しい布を織ろう、だった。生活に密着した仕事と空間を考えた仕事、その両方に長い間携わったが、美しい布を作りたいという気持ちは変わらなかった。

 一枚の布の力は大きい。ある程度の大きさがあれば、頭や肩に巻いて寒さを防ぎ、テーブルやソファにかけ、カーテンや間仕切りにもなる。この工房で織られた布を旅行に持っていき、防寒はもちろん、風呂敷にさえして、とても便利だったと報告されたこともある。そんな布の多様性に美しさが加われば、申し分ない。

 ふたりが織る糸は、絹とウール、それに麻を少し。しかし、特別の素材を用いるのではなく、糸によりをかけたり、練ったり、色を工夫して、自分たちらしい糸にする。

 とくに今は、絹に凝っている。絹といえば、上等で高価な素材という気がするが、今、織っているストールなどは、中性洗剤で洗い、夏なら5分もあれば乾いてしまう。丈夫で何十年も使え、使うほどに使い手なりの風合いがにじみ出る、という。それなら安心して気軽に使えるというものだ。

 この張りがあるストールは、細い糸で織ってあるので、透けている。これを自然木にふわりとかけて壁に飾り、出かける折には肩にひっかける。また、窓辺にかけると、透過した光の色が違ってくる。そんなふうにさりげなく、暮らしの中で活用してほしいと、ふたりは願っている。

 10年くらい前から、テーマに森のイメージが加わった。山本さんと飯田さんのふたりが個々にもつ森のイメージをコラボレーションしながら、「記憶の森」をテーマに緑豊かな狭山緑地で創作を続けている。また、軽井沢にも工房をもつことにより、イメージはさらに豊かにふくらみつつある。

 今後は、地域とどう関わっていくか、も大きな課題。たとえば小学生たちにダンボールを織り機にして10cm角の織物を作らせてみる、というような試みもしている。それは、ふたり自身も織り機につかまって織り目しか見えなくなってしまう、という事態を避けたいからでもある。時間がかかる仕事だけに、ある意味ではしかたないのだが、せっかく織物の世界を広げるためにふたりで組んだのだ。当然の展開といえよう。

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